そのまんま英語

場面で学ぶ実践英語

中国語ができることのメリット

サバイバルで習得した中国語が今では便利に

私は英語の他に中国語ができます。最近になって中国語ができるのは結構ラッキーなことだなと思うようになりました。どんなときかというと、例えば海外旅行をしたとき。最近だと、イタリアとスペインに行った時、こんな出来事がありました。

イタリアでの経験

まずはイタリア。その日、私はローマからフィレンツェに移動することになっており、朝、テルミナ駅でフィレンツェ行きフレッチャロッサ高速鉄道)のチケットを買おうとするとチケットオフィスは混雑して列ができていました。ヨーロッパは日本と違って時間や曜日に関わらずどの列車も値段が一律ではないので、窓口でスタッフに聞きながらチケットを買いたいという思いもあったのですが、待っている時間がかったるいのと、早くどこかに座って美味しいエスプレッソを飲みたかったので、チケット販売機で買うことにしました。

チケット販売機は英語だけかと思ったら中国語にも対応していました。チケット購入程度なら問題ないので中国語で試してみることにしました。結果はというと、値段、席のグレードなど自分が知りたいすべての情報が全てスクリーンに示され難なく購入できました。これに味をしめて後のフィレンツェからベネチアベネチアからミラノまでも販売機で購入しました。

イタリアのチケット販売機の選択言語に日本語はもちろんありません。理由は簡単で利用人口が少ないからです。日本人がいくら海外旅行をすると言っても利用人口は中国語圏にはかなわないでしょう。世界の中国語人口計り知れないほど多く、その大きな部分を占める大陸の中国人が裕福になり、旅行をするようになった今、いろいろなものが中国語への対応を迫られているのでしょう。私の場合、中国語でも英語でもよかったのですが、チケット購入を通して、自分が選べる言語が増えることは便利だなーと思いました。

スペインでの経験

イタリアの翌年に行ったスペインではこんなこともありました。マドリードからトレドに日帰り旅行に行った帰り、トレド駅前に止めてある2階建ての観光バスの中に中国人女性2人が閉じ込められ、同じアジアの顔である私を見てバスの中から中国語で「すみませーん、中国人ですか?」と叫んでいました。私は中国語が分かるので「中国人じゃないけどどうしたの?」と中国語で返しました。すると、「バスの中にいたら運転手がドアを閉めてどこかへ行ってしまった」といいます。彼女たちは私と同じ列車でマドリードに戻ることになっているようで、電車の到着まであと10分ほど。私は急いでスペイン人の駅員に事情を説明し彼が何とかバスのドアを開けてくれました。

バスから解放された彼女たちにほっとした様子で感謝しつつ「香港人ですか?」と聞いてきました。「いえ、日本人ですが少し中国語ができます」といったら少し驚いていました。スペインの片田舎で困り果てていた時に、たまたま通りがかったのが中国語を話す日本人という偶然に驚いたのでしょう。彼女たちとはすぐに仲良くなりました。中国の東北地方出身でヨーロッパに観光中とのこと。観光で美しい町の写真を撮るのもいいですが、こういった人との関わりは旅のよい思い出です。

また、スペインでは日本のコンビニのようなものは見かけません。代わりに小さなキオスクのようなお店があるので、そこで水やホテルで食べる果物やスナックを買ったりしていました。驚いたことに、そういったキオスクは中国人が経営していることが多く、彼らは移民なので街のことをよく知っています。もちろん中国語を話すので買い出しに行くたびにお店の人から情報を教えてもらっていました。

複言語主義のメリット

日本人の多くは海外に行けば、まずは英語でというのが一般的ですが、中国語ができると楽しみが増えると思います。それは単に中国語を話す人口が多いというだけではなく、世界のあちこちには移民してその地で生活している華人がいることです。

複言語主義という言葉がありますが、私はこれに大賛成です。複数の言語をそれぞれ自分が運用するレベルで話せるようになるというもので、日本の言語教育が目指しがちな、どれも完璧になるということではありません。言葉はあくまでも意思疎通のために必要であればよく、私の場合、中国語を使うことで海外旅行がより内容の濃いものになっています。